虫歯は自然治癒する?歯医者に行かずに放置するリスクは?
「虫歯が出来たけど、歯医者に行かずに自然治癒で治したい」と思う方もいらっしゃるのではでしょうか。
結論からいうと、ある程度症状が進行してしまった虫歯は、自然治癒のみで治せません。
すでに進行している虫歯は自然には治らないので、早めに歯科医院の受診が必要となります。
一方、初期段階の虫歯であれば自然治癒する可能性もあります。
当記事では、「自然治癒する可能性のある虫歯」と「治療が必要になる虫歯」の違いについて解説します。
初期段階の虫歯なら、自然治癒する可能性がある
虫歯のなかでも初期段階の虫歯は、歯の治療をしなくても自然治癒するケースもあります。
初期段階で対策ができれば虫歯の進行を止めることができるというわけです。
具体的には、丁寧なブラッシングによる歯垢の除去、フッ素配合ハミガキ剤での歯磨き、唾液の分泌量を増やすなどの日常のケアにより、自然治癒する可能性があります。
では、初期段階の虫歯がどんな状態か?というと、「歯が痛い」「しみる」などの自覚症状を伴わない状態のことを指します。
しかし、「歯が痛い」「しみる」などの自覚症状がないからといって油断してはいけません。
「痛みがないのに実は虫歯が進行していた」というケースもあるからです。
この状態で虫歯を放置してしまうと、症状がさらに進行し、最終的には歯を失う可能性もあります。
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上記のような事態を防ぐためにも、自己判断せずに歯科医院で検査を行い、「治療が必要かどうか」を歯科医師に診断してもらいましょう。
虫歯を自然治癒で治すには?
歯科医院で「初期の虫歯」と診断された場合、自然治癒で虫歯を治すことができます。
具体的には、以下の方法で虫歯を治していくことになります。
①徹底した歯磨きで歯垢を取り除く
初期虫歯の治療には、まずは歯垢を除去することが重要です。
歯垢の中にはたくさんの細菌が含まれており、虫歯の原因菌を減らすために歯垢除去は欠かせません。
とくに歯と歯の間は歯ブラシが行き届きにくいため、歯垢が貯まりやすい場所なので念入りにブラッシングしましょう。
歯ブラシのタイミングは、歯垢が形成される食後8時間以内に行うと効果的です。
歯ブラシをするときには「フッ素入りの歯磨き粉」を利用して歯の表面は歯ブラシ、歯間ブラシで歯と歯の間を入念にブラッシングしましょう。
②唾液の分泌をうながす
自分の力で虫歯を治すためには、唾液の分泌を増やすことが重要です。
唾液には再石灰化以外にも、抗菌作用や自浄作用があるため、唾液の分泌が多いだけで虫歯によって溶けた歯の自然治癒力が上がります。
唾液の分泌を増やすには、普段よりもアルコールを控えるのも効果的です。
アルコールを飲んだあとは体からアルコール成分を排出するために汗や尿を多く出そうとすることで軽い脱水症状になることがあり、水分が足りないと唾液分泌量も少なくなってしまうからです。
③日頃から予防する癖をつける
歯磨きだけではなく、歯に負担をかけないような予防も虫歯対策には重要なポイントです。
たとえば「間食・甘いものを控える」「キシリトールガムを噛む」といった普段の習慣も癖付けしておくとより効果的と言えます。
間食・甘いものを控える
歯の自然治癒である再石灰化を行うには、食事と食事の間をあけることが好ましいです。
間食が多く長時間飲食を繰り返すと、虫歯が進行するリスクが高くなります。
キシリトールを摂取する
虫歯の発生・進行を遅らせるためには「キシリトール」を積極的に摂取するのもおすすめです。
身近なものでは「キシリトールガム」がありますが、ガムが苦手な人には歯科医院ならタブレットでの販売もしている事が多いです。
キシリトールを摂取するときは、「砂糖を含んでいないキシリトール100%のもの」を選びましょう。
砂糖入りは虫歯になる可能性があるため、虫歯予防には不向きと言えます。
初期虫歯が自然治癒するのにかかる時間
初期虫歯なら自然治癒が可能ですが、自然治癒するまでの明確な期間はありません。
歯科医院においては、歯を削らずに経過観察となりますが、一定の期間を置いて再検査を行うことを推奨します。
なお、虫歯のケアは普段から習慣にすることが重要で、仮に健康な歯の状態に戻っても、口内ケアを怠ればまた虫歯になる可能性が高いです。
そのため、日頃から適切なブラッシングや歯の予防対策を行って、虫歯を寄せ付けない「歯づくり」が重要になります。
虫歯の進行度が進むと自然治癒は難しい
虫歯は進行度によって「C0~C4」と5段階ありますが、C0が最も初期、C4になるにつれて虫歯が進行している状態となります。
虫歯の進行度 | 特徴 | 自覚症状 | 主な治療法 |
---|---|---|---|
C0 | 脱灰によって歯の表面のエナメル質が溶け始めている状態 | 自覚症状なし | 自然治癒が可能・ブラッシング ・フッ素などで予防 |
C1 | 歯の表面のエナメル質が溶けて穴が空き始める | 痛みはほとんどない | 虫歯を取り除いて詰め物修復(1回) |
C2 | 歯の内部まで虫歯が進行する | 痛んだり染みることがある | 虫歯を取り除いて詰め物修復(複数回) |
C3 | 虫歯が神経にまで達する | なにもしてなくても痛みを感じる | 神経を取り除く治療が必要 |
C4 | 歯の白い部分がなくなり、歯根だけが残る | なにもしてなくても激しい痛みを感じる | 抜歯が必要なこともある |
※今回紹介した虫歯の自然治癒の方法は、あくまで「C0」である初期段階の虫歯にだけ有効です。
C1以上に進行した虫歯は自然治癒によって、元の健康な歯の状態に戻すことはできません。
仮に進行が進んでいる虫歯の場合は、ブラッシングをしたり予防することで進行を遅らせることはできますが、徐々に症状が悪化していきます。
確認ポイントとしては、「歯がしみたり痛みを感じる」「黒い穴が空き始めている」場合は、歯医者で治療を受けなければならないと覚えておくと良いです。
すでにC1以上の状態だと感じたら、早めに歯科医院を受診することをおすすめします。
できるだけ早く受診することで治療が早く終わったり、抜歯や歯を削る治療をしなくて済みます。
なるべく歯を削りたくない方は、一度ご相談ください
できるなら虫歯の自然治癒をしたいものの、すでに痛みがあるなど虫歯が進行している可能性があります。
実際に、虫歯の進行により、歯を削ったり抜歯しなければならない状態になっている患者さんは少なくありません。
しかし、失った歯は二度と戻りません。だからこそ可能な限り「自分の歯を残したい」と考えている人が多いのではないでしょうか。
「ご自身の今ある歯を残したい」という方は、桜台駅前歯科クリニックにご相談ください。
当院では、必要以上に歯を削らず「健康な歯」にするために、患者さんごとに適切な方法をオーダーメイドして治療を行っています。
関連記事:「可能な限り抜かない・削らない」虫歯治療
たとえば、以下のような患者さんも多く相談頂いています。
- ほかのクリニックで歯を削るもしくは抜歯治療が必要と言われた
- 将来に健康な歯を残したい
虫歯治療ではどれだけ歯の組織を残せるかで、将来健康な歯を保てるかどうかが変わってきます。
治療においては「歯を削る」「抜歯をする」「歯の神経を取る」といった治療が一般的ですが、元の歯を必要以上に削ることで歯が折れやすくなったり欠けやすくなるというデメリットがあります。
そこで、桜台駅前歯科ではピンポイントで「虫歯の感染部分のみ」治療することで、なるべく削らず歯の神経も残した状態で治療する方法を採用しています。
結果的に重度な虫歯でも、将来の健康な歯を守るための適切な治療を行うことができます。
まとめ:虫歯の自然治癒は早期発見ができるかで決まる
今回は虫歯の自然治癒が可能な虫歯の状態や、自然治癒するための方法について解説しました。
初期段階の虫歯であれば、原則として自然治癒のみで元の状態に戻すことが可能です。
初期段階で発見できたら適切なブラッシングで歯垢を除去し、フッ素やキシリトールをうまく利用することで元の健康な歯の状態に戻すことができます。
ただし虫歯の初期段階では自覚症状がないことから、気付いたら虫歯が進行してしまっているということも多いです。
すでに虫歯が進行してしまっている場合は、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
なるべく早く受診することで、治療が短くなったり、歯を削る・抜歯といった方法を避けることができます。
痛い虫歯治療が苦手な方もご相談を!
虫歯治療は「痛い」イメージがあり、治療を敬遠している方も多いかと思います。
そこで、当院では痛みを最小限に抑えた虫歯治療を徹底しています。
例えば、「麻酔導入」する注射の痛みを抑えるために、「表面麻酔」を使用して治療部位の麻痺をするといった方法を用いているので、麻酔注射も痛くないよう工夫しています。
また、使用する針の太さを極細にしたり、ゆっくりと麻酔導入する装置を使用することで麻酔すら最小限の痛みになるように対応いたします。
痛みが苦手な方も、一度桜台駅前歯科クリニックにご相談下さい。