10年・20年先を見据えた
医学的根拠に基づく総合治療

その場しのぎの治療に潜むリスク

短期的な視点で見れば、以下のような治療は特段問題ないように見えるかもしれません。

• 必要以上に歯を削って被せ物をする
• 残せるはずの歯を抜歯する
• 安易にインプラント治療を行う

しかし、長期的な視点で見るとどうでしょうか？治療対象となる歯のみに焦点を当てる"その場しのぎ"の治療では、「その一瞬」は良いかもしれませんが、将来的に歯の健康が大きく損なわれる可能性があります。悲しいことに「疾患部にしか目が行かない」「2～3年先の短期的な未来しか考えていない」といった歯科医師が多いのが現実で、歯科業界における重大な課題だと感じております。美容歯科的な視点だけに捉われ、今大切な歯を削ろうとしている方、抜こうとしている方は一度立ち止まって考えていただきたく思います。

長期的視点での治療計画が鍵を握る

当院では、大前提として「健康の再生」があり、その上で見た目の美しさを形成するという考え方を大切にしています。

そのためには、局所的・短期的な視点で見るのではなく、10年・20年先を見据えた「長期的視点での治療計画」が重要であり、患者さまの理想（＝ゴール）へ間違いなく到達するための鍵になると考えております。

そして、歯は一生持つと断言できるものではないからこそ、もし状態が悪くなってしまったときに、簡単な処置で済むように、常に「次の一手」を考えて治療計画を立てていきます。次に問題が出たときに可能な限り最小限で終わるように、全体を見て治療計画を立てるのが大事になります。この点、歯科治療は"修理"に近いと言えるかもしれません。

医学的根拠に欠ける治療は行わない

そしてもう一つお伝えしたいのが、「全ての患者さまの期待に応えられないケースもある」という点です。

たとえば、「1日で全ての歯を綺麗に治して欲しい」等のご要望をいただく事もあります。

もちろん短期的視点の治療であれば、これを実現できるかもしれません。しかし、患者さまの将来のお口の健康を考えるのであれば、そして医学的な根拠に則った治療を行うのであれば、「できないことを誠実に"できない"とご説明差し上げること」も、医療人としての責任であると思っております。

よって、時にはしっかり時間をかけて治療を行うべきと判断する可能性もございます。 十分な時間を確保して医学的根拠に基づく治療を行っていく当院のスタイルは、面倒だな…と感じる方もいらっしゃるかもしれません。でも、治療にかけた時間以上に、残りの人生を快適に美しい歯で過ごせる可能性があることを、ご理解いただきたいと思っております。 

各分野の専門家が集う総合歯科治療

ボロボロの歯を治療するためには、お口全体を総合的に捉えて、今患者さまにとって一番重要と思われる治療をピンポイントで提案することが重要だと思っております（これを総合歯科治療と呼びます）。

総合歯科治療を実践することで、虫歯治療・歯周病治療・矯正・インプラント・根管治療など様々な専門的スキルをオプション的に組み合わせて、それぞれの切り札となる治療を一番いいタイミングでご提案できます。ゆえに、豊富な選択肢の中から患者さまにとってより良い治療をご提案できる可能性が高まります。

とはいえ総合歯科治療は誰にでもできる治療ではありません。治療の全体像をより俯瞰的・多角的に捉える力が必要で、各分野の専門スキルを組み合わせていくディレクション力も必要になります。当院では、勉強会・セミナーへの参加・学会での活動・新しい技術の習得・現場での臨床経験・論文の発表などを通じて、総合歯科治療を実践するために必要な力を磨いて参りました。

今後も謙虚に学び技術を研鑽し続けることで、一人でも多く、ボロボロの歯でお悩みの方のお役に立てればと思います。

症例1*

症例2*